論文を批判的に読み、生活へ翻訳できるようになるまでを5段階に分けた。 自分が今いる段階を選び、そこから順に進む。 各段階のページは一通り読むと20〜75分で完走できる。
論文には、決まった形がある。
本にも目次があるように、論文にも読む順番がある。地図さえ持っていれば、迷子にはならない。
論文は、答えではない。
判定の道具だ。
「論文に出ている」と聞くと、確定情報のように響く。けれど査読論文は「答え」ではなく「ある条件下のデータ」にすぎない。
このページは、ビジネスアスリートが「論文を眺める側」から「自分で読む側」へ移るための地図。
IMRaD:論文の身体図。
医学論文の99%は IMRaD(Introduction / Methods / Results / and Discussion)構造。各セクションが何のためにあるかを掴むと、必要な情報に最短で辿り着ける。
デザイン、対象集団、サンプルサイズ、暴露の測り方、結果の測り方、統計手法。 論文の格はここで決まる。
Discussion は著者の解釈、論文末尾は誰が金を出したか。 バイアスが最も強く出る場所でもある。

頭から読まない。Limitations から読む。
論文を頭から最後まで読むのは初学者の失敗。論文は「使う道具」なので、必要な部分だけ取り出すのが速い。15分で1本判定する、おかもん流の読む順番。
時間がない時はこの5つだけ。3000字の Discussion 本文は読まなくていい。 興味があれば、後で帰ってくる。
JAMA の "Users' Guides to the Medical Literature" は、 臨床家が論文を読む際に立てるべき問いを3つに絞った。 複雑に見える論文批判も、この順序で考えると整理される。
- 01Are the results valid?結果は信頼できるか
研究デザインは適切か。ランダム化されているか。盲検化は。脱落はどれくらいか。これが弱ければ、いくら結果が派手でも採用しない。Methods を読む目的はここにある。
- 02What are the results?結果は何か
効果量はどれくらいか。信頼区間はどこまで広がっているか。「有意差あり」ではなく、HR・RR・NNT といった実数で把握する。統計的有意性と臨床的意義は別物だと繰り返し意識する。
- 03Can I apply the results?自分の患者に当てはめられるか
対象集団はどんな人か。年齢・性別・基礎疾患の分布は自分の目の前の人と似ているか。介入のコスト・リスク・価値観は考慮されているか。「論文の結論」と「この人への処方」の間には、常に翻訳が要る。
Greenhalgh の "How to Read a Paper" が示す、 論文の各セクションで確認すべき問い。 「Yes / No / 分からない」で答えることで、判断を言語化できる。
初学者の失敗。
論文の身体を、
解剖図のように見る。
こんな視点が手に入る。
