← Vol. III · SleepIssue · 08  ·  Jun 17, 2026  ·  5 min read
睡眠 · 第 08

コーヒー、午後2時という境。

カフェインの半減期は約5時間。夕方の一杯が、夜の眠りを4分の1欠けさせる。

AMPL Editorial · Tokyo3 References
30秒で、持ち帰る。
  1. 01Drake 2013: 就寝6時間前の400mgカフェインでも、客観的総睡眠時間が1時間以上削られる(自覚なし)。
  2. 02Clark & Landolt 2017 SR: カフェインは入眠潜時延長・徐波睡眠減少・個人差が CYP1A2 多型で出る。
  3. 03Cornelis 2006: CYP1A2 遅代謝型は、同じコーヒーで体内残留が長く出る個人差の遺伝的根拠。
本文

コーヒーが眠りに効くか効かないか、というより、効く時間を読み違えている。半減期5時間という事実が、午後2時という境を引く。

6時間前でも、削れる

Drake 2013 J Clin Sleep Med の RCT は、就寝0/3/6時間前にカフェイン400mgを投与し、客観的に睡眠時間を計測した。6時間前でも総睡眠時間が約1時間以上減少。被験者本人はそれをほとんど自覚していない。「夜は普通に眠れている」と感じても、実際には削られている。

半減期と、午後2時という境

カフェインの半減期は健康成人で約5時間。午後2時の一杯(100mg)は、午後7時に50mg、深夜0時にもまだ25mg残る。Clark & Landolt 2017 のSRが整理した通り、入眠潜時の延長・徐波睡眠の減少が、自覚されないまま積み上がる。

5時間
カフェイン半減期
Clark & Landolt 2017 — 個人差で2–10時間

CYP1A2 という、個人差の遺伝子

同じコーヒーで影響が出る人と出ない人がいるのは、CYP1A2 遺伝子の多型による。Cornelis 2006 JAMA は、CYP1A2 遅代謝型でコーヒー摂取量と心筋梗塞リスクの関連を示した(睡眠への直接データではないが、体内残留時間が長い遺伝背景の存在を実証)。「私はコーヒー何杯飲んでも眠れる」という申告は、半分は本当で、半分は気づいていない。