← Vol. III · SleepIssue · 10  ·  Jul 15, 2026  ·  6 min read
睡眠 · 第 10

不眠の第一選択は、薬ではなかった。

CBT-I、認知行動療法は、薬と同等以上で、しかも止めても効果が残る。

AMPL Editorial · Tokyo4 References
30秒で、持ち帰る。
  1. 01Trauer 2015 SR/MA: CBT-I は入眠潜時・中途覚醒・睡眠効率いずれも有意改善。薬と短期同等、長期優位。
  2. 02Mitchell 2012: ベンゾジアゼピン系睡眠薬と短期同等、6〜24か月の長期では CBT-I が優位。
  3. 03Riemann 2017(ESRS欧州ガイドライン): 慢性不眠の第一選択を CBT-I で「強い推奨・高エビデンス」。
本文

眠れないとき、最初に手に取るべきは薬ではない。それは、論文がほぼ揃って言っていること。世界の不眠治療ガイドラインは、もう CBT-I に並んでいる。

メタ解析が示した、効果の幅

Trauer 2015 Ann Intern Med は、20件の RCT を統合し、CBT-I の効果サイズを示した。入眠潜時は約19分短縮、中途覚醒は26分減、睡眠効率は10ポイント改善。短期では薬と同等、長期では薬を超える。「治療を止めても効果が残る」のが行動療法の特徴。

薬との比較で、何が違うのか

Mitchell 2012 BMC Fam Pract は、CBT-I と睡眠薬を頭から比較したSR。ゾルピデム・ゾピクロンと短期で同等以上、テマゼパム・トリアゾラムに対しては6〜24か月の長期で優位。薬は飲んでいるあいだ効くが、止めれば消える。CBT-I は、行動の習慣そのものを書き換える。

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入眠潜時の短縮(CBT-I)
Trauer 2015 — 20 RCT のメタ解析

国際ガイドラインの現在地

欧州睡眠研究学会(ESRS)の Riemann 2017 ガイドラインは、慢性不眠症成人の第一選択として CBT-I を「強い推奨・高エビデンス」グレードに置いた。米睡眠医学会(AASM)も同じ立場。Edinger & Means 2005 が示した「治療の選択肢から第一選択へ」の格上げが、20年で世界標準になった。